自転車問題の本質はまだまだ理解されず(高知新聞特集記事)

2011年5月23日(月)から25日(水)の3回ににわたって、高知新聞夕刊で「銀輪の代償 県内自転車事故の周辺」というタイトルで特集記事が掲載されている。

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(2011年5月23日(月) 高知新聞夕刊記事)

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(2011年5月24日(火) 高知新聞夕刊記事)

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(2011年5月25日(水) 高知新聞夕刊記事)

自転車対歩行者の交通事故という、以前から問題になっている深刻なテーマであり全体的な内容も悪くない。確かにデタラメがまかり通ってきた自転車交通の負の側面である。

が、(下)の最後でその対策として書かれていることが・・・・

何度読んでも胃がムズムズしてくる(冗談抜きで)

記者も行政も事の本質を全くもって理解していないのがよく伺える内容に仕上がっている(笑)

問題の本質は、「自転車を歩道に上がらせているから」他ならない。そこをいくら色分けしたってなんら解決にはならないのだ。

本質的な解決方法は、「自転車を車道に戻すこと」以外にない。

記事で述べられている桟橋通りの場合は、そうするには片側2車線を削るわけにはいかない(路線バスも走るので)だろうから、歩道そのものを狭くして、車道の一番外側に自転車レーンを設けるしか方法がないだろう。ただし、その場合は街路樹を移設する大工事になりかなりの予算がかかる。

ひょっとしたら、行政もこんなことは十分承知しているかもしれない。しかし、理想を実現しようとしたら予算がかかる上、「自転車は歩道」という間違っていながらも長年染みついた慣習に対抗することになるので、市民から反発も予想される。

で、妥協の産物としてあのような「歩道色分けレーン」が仕方なく出現したと考えられなくもない。

だが、そのように妥協してしまう背景には、「自転車は一人前の車両でありかつ一人前の都市交通手段である」という認識の徹底的な欠如だろう。

これが地方の中の地方である高知の実態である。

東京ではここ10年で車道を走る自転車は日常的な光景になった。しかし、高知では歩道があればみなそこを走る。それが生活道路で、歩道がいかに狭かろうが、交通量や車の速度が低く車道走行に不安がなくてもだ。

著書も今になってようやく執筆を再開した。それが地方の自転車活用を大きく前進させるきっかけになることを願ってやまない。

(参考記事)
なぜ、今さら自転車レーンを歩道上につくるのか?(2007年8月26日)

レンタサイクルを交通システムとして機能させるには(その2)

レンタサイクルは大きな可能性がある。が、しかし成功例は極めて少ないそうだ。通常のやり方では採算性を確保するのが厳しい、儲からないとか。考えてみてもサービスを向上(利用時間の拡大)させようと思えば、経費がかかり黒字化が難しく、採算にこだわりすぎるとサービスが限られ、広く普及するには至らない。貸し出し、返却の無人化、自動化も簡単ではない。自動化できない以上、主要駅などのみに限られ、増設することも困難だ。机上の空論の時点で理想のレンタサイクルを実現するのは難しい。大いなる難問である。

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(土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線安芸駅のレンタサイクル)

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(同じく安芸駅売店のレンタサイクル受付所)

でも、理想のレンタサイクルは実現できないかという一種の思考実験も兼ねて書いてみる。あくまでも、これから述べるのは理想論だ。実現には課題が多いのは誰が見ても明らかであるが、それに近づけるにはどういう手順でやるべきかということをまず議論したい。

IT技術を駆使した、特にICカードを活用したレンタサイクルシステムが構築できないものか?それが普及促進の大きなポイントになると考えている。すでに、鉄道やバスなどの公共交通ではICカードがかなり普及している。それをレンタサイクルにも取り込まない手はない。

基本的なシステムはこうだ。まず、「レンタサイクルICカード」を作成する。もちろん、それで鉄道やバスも利用できる。つまり、SUICAやICOCCAなどの既存のICカードに、レンタサイクル向けの情報(個人登録)を追加するわけだ。

貸し出す時は、ICカードをリーダーにかざして、ラックのロックを開錠。自転車を利用者が引き出す。返却時も、空いているラックに入れ、同じくリーダーにカードをかざしてロックして利用時間に応じた料金を精算する。

そうすると、無人化が難しかったレンタサイクルでも無人化、自動化によるサイクルポートの拡充、利用可能時間の拡大への道が開かれるのではないかと考える。小さい駅でも設置可能になる。それに、借りたポートとは違うポートで返却可能という相互利用に関しても敷居がぐっと低くなろう。

また、現在のレンタサイクルは、観光やビジネス向けの一時利用は、時間によるきめ細かい設定は難しく、1日いくらという形になっている。それでは、短時間だと利用者側として割高に感じてしまうし、運営側にしてみても一日中借りられても料金が同じだと、採算面からしてあまり望ましくない。それが、IOカードだと利用時間に応じた設定が可能になる。例えば、30分までは100円、2時間までは200円、それ以後は30分ごとに50円課金するが、1日の上限は1200円までで、24時間以内に返却すればそれ以上は課金しないというような細かい設定が可能になろう。

運営側も、自転車の状況がリアルタイルで把握できるメリットがある。どこのポートに現在自転車が何台あるかはもちろん、1台1台の自転車についての故障・整備記録なども一括管理することが可能になる。

もちろん、究極的には日本全国統一のシステムにすべきだと考える。1枚のカードを作れば、全国どこでも利用可能となれば、レンタサイクルも非常に身近になり、認知度が上がる。交通インフラとしての確固たる地位を確立できよう。

加えて、用意する自転車であるが、従来ありがちなフツーのママチャリでは、はっきり言って全然望ましくない。それでは、自転車文化も根付かないし、自転車を取り巻く状況が改善するとも思えない。せっかくICカードを活用しても真にレンタサイクルが成功するとは思えない。誰もが快適に気持ちよく利用できる水準が求めらる。具体的には、8万円程度のクロスバイク並の性能、快適性はほしいところだ。そこから、本来の自転車という認識が高まれば、ママチャリ一辺倒の自転車文化から脱却への道が開けると思う。

また、大量の自転車を管理するため、耐久性がありかつ整備性も高い設計にする必要があろう。利用時のトラブル遭遇率を最低限に抑え、なおかつ部品の交換も迅速に可能にしたい。そうなると専用設計の自転車を製作、配置することになるが、それは海外勢力の安物自転車に押され気味だった日本の自転車メーカーにとって大量受注は朗報かも。

こうやって書きながらも、「そんなのどうやって構築して運営するんだよ?」と思える要因は山積だ。利用時におけるパンクなどのトラブル時にはどう対応するか、もし盗難にあった場合、ポートの自転車に落書きなどいたずらされた場合、自転車があるポートに偏ってしまったときの移送、自転車の整備基準はどうするか、整備員にどこまでのスキルを身につけさせるかという、基本的な問題から、そもそも採算性は確保できるかなどの根幹にかかわる問題まで対処していかなければならない。最初に書いたように難問の山だ。一筋縄ではいかない。

それでも、レンタサイクルシステムは大きな可能性を持っており、そのシステムを構築するのは社会的な有用性は絶対にあるという信念があるので、もう少し続けて書く。これは本気の中の本気で書いている。

レンタサイクルを交通システムとして機能させるには(その1)

自転車の積極的活用をする方法としてレンタサイクルがある。日本において自転車文化を根付かせるには、走行空間の整備やママチャリ一辺倒の状況から脱出を図るとともに、レンタサイクルを交通システムとして機能させることが大きな鍵を握るのは間違いない。

レンタサイクルは、観光地などに用意されていることも多いが、現状では交通インフラとして活用という側面においては全く不十分だ。はっきりいってしまえば、一部の例外を除き用事になるというレベルにすら達していない。
  
Rentabicycle
つくば市レンタサイクル

現状での問題点を書いていこう。ちなみに、無記名乗り捨ての共有自転車についてははなから論外なので省略する。

一つには、運営している主体がバラバラで連携がとれていないこと。自治体直営、観光協会、旅館、道の駅、地元のNPOなど様々にわたる。そのためか、情報の共有が図られず、どこにレンタサイクルが用意されているかということもなかなか認知されていない。

二つ目に、たいていは利用時間が極めて限られていることだ。阪急レンタサイクルのように朝6時半から夜11時半まで利用可能なのは極めて例外の部類に属し、たいていは、午前9時ごろから午後5時6時までというのが多い。それでは、きわめて限定的にしか使い物にならない。夜7時頃に駅に来て、自転車使ってちょっと用事を済ませて9時ごろ帰るなんて活用方法は不可能だ。タクシーという選択肢もあろうが、割高で非経済的だ。

しかし、レンタサイクルはその性質上、無人化、自動化が難しく、人件費の兼ね合いで難しい面ではある。阪急レンタサイクルも始発から終電までは、さすがに厳しいそうだ。 そうなると24時間体制になって、利用料金に跳ね返ってくるからそうである。

三つ目に、借りるたびに毎回、身分証を提示して記入用紙に書かされる場合が多い。利用者カードが作れてもたいていは1~数箇所でしか使えず、隣りの市でレンタサイクルを展開していても、たまたま用事で訪れて使おうと思ったら、新たに手続きが必要になる。それでは、気軽に使えない。また、貸し出し、返却とも自転車の出し入れに時間がかかることも多い。係員が倉庫から持ってくるのに、かなり待たされた経験がある。

四つ目が、運営主体がバラバラであるゆえに利用料金もまちまちである。観光地などで多い無料から、1日00円、600円、1000円などと全く一定でない。ただ、この場合は適材適所なので簡単にどれがいいとは言えない。

五つ目が、自転車の品質、整備状態。たいていは、ママチャリだ。それが乗ってみて酷い目に遭うことがよくある。変速機がないは、整備状態が悪くはで、乗っててかなりかったるい思いをする。

要するに、レンタサイクルを観光協会などがただ用意しているだけであって、それを上手に機能させるということを欠いていることが原因だと思っている。

日本の自転車政策全般に言えることだが、「自転車のことをよく知らない人々が自転車のことを取り扱っている」ということが、レンタサイクル一つとっても顕著化している。

そういうことで、どういうレンタサイクルシステムを構築すればいいか、次のエントリに続く。

郊外バイパス道路で自転車走行空間はどう整備すべきか?

 疋田氏のママチャリについての扱いでちょっとだけ疑問点もあるにくわえて、疋田智氏の主張でこれまでほとんど取り上げられていなかった部分がもう一点ある。

 郊外バイパス道路での自転車通行に関してである。

 疋田氏はおおまかなところ、「自転車がその交通機能を最大限に発揮するためにも、事故を減らすためにも、歩行者という交通弱者を脅威に晒さないためにも、自転車は車道左端を走行すべきで、それを支援するような道路空間に再構築すべき。」と書かれている。

 私もそれ自体に異論はない。市街地内では、歩行者も自転車も多く歩道が両者でごった返していることが多い。ただでさえ狭い歩道に、電柱や障害物や駐輪していある自転車がさらに狭くしていて、そこを歩行者と自転車が双方向に行きかう。これでは、歩行者、自転車ともに快適に利用できない。生垣など、死角になるものを多く出会い頭の事故を誘引する条件も多い。

 ある一定の規模以上の市街地内では、早急に自転車通行を歩道から車道に切り替えていく必要があると思う。車道と歩道の区別がある道路では、まず幹線道路の一歩裏の両側2車線の道路から徹底すべきだろう。車もそれほどスピードを出さないので特に専用レーンなど設置しなくても両者は共存可能だと思う。大通り(幹線道路)はすぐには厳しいが、順次、バスレーンと共用するなどとして歩道から降ろすようにしたらよい。

 問題は、タイトルの通り郊外バイパス道路ではどう走るべきか?どう走行空間を整備すべきか?ということ。これに関して、これまでの疋田氏の著作では全く言及されていない。

Img_3759
(※拡大可能です)

 写真の道路は、高知市高須の国道55号南国バイパスである。高知では最初期に造られたバイパス道路だ。

 さて、ここで車道走行するのは、私でも凄まじい恐怖を味わうことになる。ママチャリではもちろん、ヘルメットを被ってロードバイクやクロスバイクに乗っても相当に怖いというか、強気で車道走行を続けられない。市街地内の大通りと違い車は猛スピードで右側をビュンビュン通り過ぎていく。50km/h制限だが、多くの車は60~70km/hで走っている。追突されたら即死してもおかしくない。

 市街地内では、マイカー利用削減を前提で、公共交通の再建と合わせて、片側を専用レーンにするなりバスレーンとの共用レーンにするなりすればいいのだが、バイパス道路はあくまでも「バイパス的役割」だから車線削減は厳しい。新しいバイパス道路は、車線と歩道の間に幅1mほどスペースがあったり、歩道も広く確保したりして余裕があるが、写真のような古いバイパス道路は、ギリギリの設計だ。現実に車道を走るのは危険極まりない。また車線自体も狭い。用地買収して拡幅するような財政的余裕もないので新たに自転車レーンを設置することも不可能だ。

 いかに自転車が本来の車両に回帰しても、このような道路で車道走行するのは、ちょっと厳しいのではないだろうかと思う。とりあえずは歩道通行でもいいのではないか。歩行者もほとんどいないし、街路樹もないので、死角も少ない。(この写真では)舗装状態も比較的いいので、それなりに快適に走れる。ただ、商業施設等に出入りする車に注意する必要はある。いわば歩道が「事実上の自転車レーン」と化しているわけだ。

 なので、左側通行の徹底(対面通行をやめる)と、歩行者がいる場合のみ減速して通過するということで、自転車の通行空間としてもいいのではないだろうか。

 筆者の場合であるが、夜須から高知市内へ自転車で行く場合は、大部分は赤岡からずっとこのバイパス道路を走っている。左側の歩道を通行し、巡航速度は25~30km/hほどで、歩行者の側を過ぎる場合には10km/h程度まで減速し注意して走る。対面通行の自転車がやって来た場合は、こちらが前もって端によって相手の進路を開ける。追い越す場合は臨機応変にするが、自転車相手には減速は基本的にしない。

 歩道暴走行為だと指摘されるかもしれないが、歩行者もほとんどいないのだからそう目くじら立てないでいただきたい。歩行者が多くなる葛島以西では、ずっとペースは落としているし、速く走りたい場合はそこでは車道に降りるようにしている。

疋田氏のママチャリについての扱いでちょっとだけ疑問点もある

先ほどの記事書籍紹介(23)『自転車の安全鉄則』の内容に絡めてだが、疋田氏の主張は大部分はすごく論理的で的を得ているのだけれど、私として疑問点がある部分もある。

前から気になってはいたが、ママチャリのことについて。

疋田氏は、

「ママチャリは、歩道も通行可とするゆがんだ日本の交通行政が生んだシロモノ。短距離で低速運用に特化した世界的にも特殊な自転車が大部分を占めるようになった。上手いこと道路環境には適合したものの、スピードと航続距離を犠牲にしてしまった。そのため、さらには乗り手の意識も歩行者感覚になり、長い間に自転車の都市交通としての有用性その他もろもろの可能性も大幅にスポイルされてしまった。」

と、大まかなところいたるところで述べてきている。

これ自体には全く異論はないが、疑問に思うのは「どこまでをママチャリに含めるか?」である。他の著作も含めた疋田氏の記述では「スポーツ系自転車以外の巷に普及している一般の自転車」ということであろうがそこがどうもひっかるのだ。

そういう一般型自転車でも、大まかに2タイプに大別可能だ。

まずは、いかにもママチャリですという雰囲気の下の写真のような買い物用自転車。トップチューブとダウンチューブが湾曲しており、ハンドルも手前に曲がっている、スタンドは両足タイプで荷台やスカートガードも標準装備、変速装置はないというのが大まかなスペックである、いかにもママさんのお買物自転車だ。

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確かにこれで長い距離を移動するのは非常にしんどい。私だって1km乗っただけでもう勘弁だ。このタイプは間違いなく低速・短距離で歩道走行に特化したママチャリである。

これは、私も完全に「ママチャリ」として定義している。

次に、よく中高生が通学で使用しているタイプのやつ。チューブは真っ直ぐで、ハンドルはバーハンドルに近い形状、スタンドは片足で荷台は装備されず、内装3段の変速装置を持っている場合も多い。ポジショニングもやや前傾姿勢となる。

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私としてはこちらをママチャリに含めるのにかなりの違和感を覚えるのである。実際に、出身の高知県ではご近所での使用にとどまらず25km先の場所までもよく走っていたし、クロスバイクを持っている今でも時々中距離に使ったりする。25~30km/h程度で充分走行可能だし(ただ、クロスバイクよりは加速は悪い)、それなりに快適だ。写真の自転車は私のものだが、実際とくに無理して速度を上げているという感じは全くない。意外や意外、結構落ち着いた走りを披露してくれるのである。

それどころか、これで1日に100km以上のツーリングをしたり山岳地帯に進出したりすることもあるくらい。写真の場所はまさに山の中だね。

買い物用タイプとは雲泥の差である。

ただし、ポジショニングや整備状態がきちんとしてないと、やはり長距離走行はきついし、車種によって結構、乗り味やその他の面で当たり外れが大きかったりするのは事実ではあるが…。

また、私が中高生だった時には、両者の自転車は明確に区別して認識していたという面もある。同級生の間でも、お買物タイプを「ママチャリ」(「オバチャリ」とも言った)と呼び、通学タイプは特に呼称はなく「フツーの自転車」として扱っていた。ロードバイクやクロスバイクが全く身近に存在しない中では(ガキんちょMTBに乗っている同級生はいた)、両者は明らかに別物だったのだ。

ゆえにこのタイプは「シティサイクル」と呼んでママチャリとは区別している。

歩道を主に走るという面ではママチャリカテゴリーだが、本当のところどう扱ったらよいものだろうか?

ロードバイクばかりがクローズアップされる不可解な自転車ブーム

 昨今、自転車ブームではあるのだが、それ自体は悪いことでも何でもない。むしろ、健康や環境志向が高まってきている結果でもあるので好ましいことだ。やっと自転車が注目される時代が来たかと思うと私も嬉しいのではあるが…。

 しかし、種類が爆発的に増えた自転車雑誌を見れば分かるのだが、誌面に登場してくるのはロードバイクばかりである。本格的なレースやロングライド志向の雑誌でない、軽いノリの雑誌ですらロードバイクばかりで占められている。

 時代はロードバイクだ! 
 ロードバイクに乗るのがイケてる!
 ロードバイクこそが素晴らしい自転車だ!

と、言わんばかりの勢いである。

 だけど、、、、、

 かつてより、この現象は不可解でどうにも腑に落ちないところがあるのだ。ピストなんていう実用性ほぼゼロどころか危険ですらある自転車が流行るように。流行というのはそういう理屈で説明できないものではあるけどね。

 ちょっと検索してみると、

 最近、自転車(ロードバイク)がブームって本当ですか?

っていう、ヤフー知恵袋での質問があった。やはりというか疑問を持っている人も多いようだ。エンゾ・早川氏の本にあったように、せっかく買ってもほとんどの人が1年以内にやめてしまうそうである。

 それに、そんな浮ついた中途半端な連中のために、メーカーもメディアもそれに迎合して、カーボンフレームとコンポーネントばかりに意識が行き、もっと大事なフォークやホイール、タイヤなどの部分が蔑ろにされているなど、明らかに間違って方向に行ってしまっているのも事実だと思う。また、店員がしっかりした知識を持たず、客に言われるままに売るような大型店も登場し、結果として不幸な自転車乗りを増やしているというし…。

 この前、サイクリング部の後輩と話をしたときも、「雑誌でロードバイクばかりが取り上げられているのは異常。新入生には競技班以外にはロードバイクは薦めていない。事故の危険性も高いし…。」と、いうことであった。自転車を正しく認識しているようで、非常に安心した。

 実際、速くて少ないロスで走ることを追求した結果、デメリットが多いのも事実。細いタイヤの結果、ちょっとした路面の起伏や突起物などで転倒するリスクも高いし、路面状態がよく見えない夜なんか怖くてとても走れない。極端な前傾姿勢であまり景色を楽しめないし、それが意外に疲れる。よくパンクするなど煩わしいことも多い。荷物も積みづらくツーリングには不向きで、スタンドもないのであちこち寄るには使いづらい・・・・など、結構デメリットがあるのである。

 要するにロードバイクとは、荷物も何も積まずにただ走るだけの自転車なのである。それもただひたすら走ることだけを目的にする自転車であって、他の目的も含む用途には全く不向き。何を今さらと思うかもしれないが、意外に分かってない人も多い。こういう私も分からなかったのであるが…。

 ただ、唯一実用になるのは、通勤だけだ。これは少ない荷物で、自宅と職場という2点間をただ移動するだけだし、いつも使う経路を走るので路面状態も分かるし、ある程度の距離になると速達性も要求されるので非常に理に適っている。

 最後に、8割以上がせっかく高い自転車を買っても1年以内にやめてしまうということであるが、やはりわざわざ乗るために乗ろうとしてもダメだということの証明でもあろう。他のスポーツが3日坊主で終わるのと同様に。こういう私ですらわざわざ乗ることだけが目的で時間を割いて自転車に乗るということはほとんどしない。というかここ1年してない。

 やはり、日常の足として自転車を使ってこそナンボであると思う。それならば、どうしても乗らざるを得ないから。その場合は、ロードバイクでなく、クロスバイクまたはスリックタイヤを履いた前サスオンリーのMTBでこそ充分快適に自転車ライフを満喫できる。

自転車も急に止まれない!

 「車は急に止まれない」という定型文は誰でも知っている。走っている自動車は急ブレーキを踏んでもすぐには止まることができないから、歩行者は気をつけろということは言うまでもないことだ。本当は、運転者こそ急に止まれないことを肝に銘じるべきだが…。

 一方で、「自転車は急に止まれない」とはほとんど言わない。けど、自転車こそ急には止まれません!別に整備不良とかそういうもんでなくても、実は自動車よりも止めるのは簡単ではないのである。

 単に、ママチャリで低速運行しているから分からないだけであって、同じ速度での制動距離は自転車の方が確実に長い。30km/hから停止する場合は、自動車であればちょっと強くブレーキを踏めばすぐに止まるが、自転車はそうはいかない。ママチャリの場合は、かなりの制動距離を要する。かえって無理に急ブレーキをかけると、バランスを崩して転倒するか、車輪がロックして(ABSも何もないので…)かえって制動距離が長くなる。

 MTBなどに装備される高性能なVブレーキやディスクブレーキに関しては、格段に制動能力は高いが、それでも使いこなすのには慣れが必要だ。下手に使うと危ないことこの上ない。

 たまに、こういうことを知らないドライバーが平気で自転車を抜かして沿道のコンビニに入るために目の前で横切ったり、逆に脇道から直前で出てきたりして、”チョーむかつく”ことがある。ぶつかって怪我するのはこっちだしね。

 もちろん、自動車側だけでなく、自転車側も「自転車は急に止まれない」ということを前提に気をつけて走るべきではあるが。

自転車を長持ちさせる工夫

 街中で見かけるママチャリをはじめとする多くの自転車は、ろくにメンテナンスもせずに乗り放しにされている。数年でボロボロになり廃棄されるなり放置されるなりして、ゴミになってしまう。個人の勝手かもしれないが、なんという無駄なことといつも思う。

 私はこんなアホらしい使い方はしない。物を大切に使いたいということもそうだが、走行性能や快適性を維持するには日ごろのメンテナンスは欠かせないし、乗り方にも気をつける必要がある。そうすると、故障も少なくなり、結果的に長持ちするわけだ。トラブルがなく長持ちするということは、経済的であるということでもある。

 私が実践している自転車を長持ちさせる工夫を紹介する。知っている人は誰でも実践している、実にごく基本的かつ簡単なものばかりだ。

[雨ざらしになる場所には置かない]

 これは最も基本的なこと。雨ざらしは汚れや錆びの原因になる。保管場所は、自転車の寿命を大きく左右する要因である。なのに、多くの人は平気で雨ざらしになる場所に置いている。まあ、自宅やアパート等でもそうせざるを得ない場合も多いのだが、あまりにも置き場所に無頓着だとも思う。

 最も理想的なのは、室内保管であるが、それが難しい場合でも直接雨が吹き込まない場所に置くようにしたいところ。自宅以外でも、長時間駐輪する場合はできるだけ直接雨に濡れない場所に置くようにして、雨にぬれた後は簡単でいいから拭くようにしよう。

[転倒しそうな場所を避けて駐輪する]

 転倒は傷やガタツキの原因になる。用事を済ませて帰ってきてみたら自分の転倒していたりモミクチャにされていたりすると、ゲンナリするし、顔が引きつるものだ。なので、長時間置く場合は、風や他の自転車に引っ掛けられて転倒する可能性のある場所は避けるようにしている。

[タイヤの空気圧に気をつける]

 タイヤの空気圧が低いと走りが重くなるし、何よりパンクの原因にもなりタイヤの磨耗も早くなる。少々のことでへこまないくらいの空気圧を保つのがよい。路面の状況にある程度気を配れば、まずパンクすることはないと言っていい。

[加速・減速はゆっくりと]

 無理に力を入れての加速は、チェーンや変速装置、ハブ等に無理な力がかかり故障の原因になる。無理なく加速しかつ着実にある程度の速度域まで引っ張るのが、快適走行の秘訣である。私の場合は、発進時は女子高生にも負けるくらいであるが、しばらくして25~30km/hに達するので、結果的にはごぼう抜きしてしまう。

 減速の場合も同様だ。強いブレーキはブレーキパッドやワイヤーの寿命を縮める結果になる。自然に減速するのを上手く利用しつつ、ゆっくりとブレーキをかけるのが自転車への負担が最も少なくなる。前方の信号が赤になったら、すぐに漕ぐのをやめてゆるゆると減速すれようにしている。

 長距離走る場合は、低加速・低減速・定速巡航こそが疲労が少なくなる走り方である。

[後輪ブレーキは通常使用しない(ママチャリの場合)]

 これはママチャリの場合であるが、後輪のドラムブレーキにせよローラーブレーキにせよ交換するのは大変である。どうしても自転車屋さんの力を借りる必要があり、結構高くつく。それで、通常のブレーキ時には使用しないことにしている。前ブレーキだけでは危険かと思われるかもしれないが、ゆっくりした減速では全く問題ない。ただ、後輪ブレーキを全く使わないのも問題なので1ヶ月に1回くらいゆるくかけるようにすればよいだろう。

[段差では十分に減速して通過する]

 歩道を走る場合は、車道とのブロックの継ぎ目で結構な段差があったりする。低速であっても大きな衝撃がくることもある。それが積み重なるとガタツキや金属疲労の原因になる。そのような場所を通過する時は、十分に減速して通過するようにしよう。停止寸前まで減速する必要もあったりとかなりかったるい場合もあるが、車道を走るにも走れない場所もあるものでやむを得ないこともある。

 余談であるが、このような段差を、フニャフニャな空気圧でサドルべったりさげた女子高生どもがそろって通過する時に、パンクしやしないかといつも気になってしょうがない。

次世代実用自転車のスペックを考えてみる

 以前に「実用車よ21世紀に甦れ!」という記事で、従来の実用車には欠点があり、実用車を再起させる上では、その欠点を改良することが必要だということを書いた。

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(実用自転車の一種である郵便配達用自転車)

 最大の欠点は、重量物を運ぶに関わらず単一ギヤしかなく勾配などで全く歯が立たないことである。その点については書いたが、より詳しく述べていこう。具体的なスペックを考えてみる。

<フレーム・フォーク>

 この部分は、従来の実用車の堅牢な設計を引き継ぎ、頑丈なダイヤモンドフレームとする。材質は、従来の普通鋼よりも耐久性を高めたクロモリ鋼がよい。耐久性とコストと乗り心地を同時に実現できる材質は、もともと鉄しかない。

<ホイール>

 26インチのタイヤとするが、この部分はMTBで使っているパーツを流用してもよい。MTB用は強い衝撃に耐えられるように設計されているので、重量物を運ぶ実用車にもってこいだろう。

<ブレーキ>

 これも大きな問題だ。従来のロッドブレーキは時代遅れで問題外。全面的に見直す必要がある。ママチャリのブレーキは制動力に難があるので論外だとしても、Vブレーキもやや難がある。どうしてもリムを押し付けるため、雨の日などにはアルミ粉で汚れてしまう。ということで、前後ともディスクブレーキを装備するのが望ましい。これもMTB用のものを流用すればよいだろう。

<変速装置>

 重量物を積んでの発進や勾配での走行を考慮すると変速装置の装備は必須である。現在ではこれがないために、恐ろしく使えないシロモノになっている。また、荷物を積まない時には、そこそこスピードを出して走れるようにしたい。

 どういう変速装置がよいか。外装ギヤでは停車時に変速できない欠点がある。これでは使い勝手悪い。よって、内装変速にすべきだが、最も普及している3段変速では、きめ細かい対応が不可能だ。そこで、シマノのインナー8を用いて8段変速にするとよいだろう。

 ママチャリ8段変速化(SHIMANO 内装8段 インター8)

<その他>

 どうしても、堅牢な設計にするためある程度は重くならざるを得ないが、軽量化できる部分は軽量化したいもの。ハンドル、シートポスト、チェーンケース、ドロヨケなどはアルミパーツを使って軽量化が可能だ。総重量は20kg程度にしたい。また、専用のリヤカーも同時に設計するとする。

 こうなると、従来の実用車との違いは、「クロモリフレーム」、「ディスクブレーキ装備」、「内装8段変速」の3箇所であるが、耐久性を確保しつつ使い勝手のいい実用車が実現できるだろう。その他のパーツでも、上手いこと既存のMTBのパーツを取り入れたら比較的低コストで良質な実用自転車が開発できると思う。

バカにできない自転車の「運搬能力」

 陸上での物の運搬は、トラックや貨物列車など動力付きの乗り物によるのが当たり前で、もはや自転車で運べるものとは誰も思っていないようだ。しかし、実はそうでもないようだ。

 下記の記事をご覧いただきたい。

 サイクルロード~自転車という道 大多数の人が過小に評価する (2008.08.17)

 自転車に連結したリヤカーで荷物を運ぶ様子が、写真で何枚も出てくるがなかなか壮観な光景だ。記事によると、最初の漕ぎ出しこそ力がいるが、一旦走り出すと拍子抜けするくらい軽く引っ張れるとか。中には、リヤカー3重連も…。

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 車両の本体価格も安いし、維持費もそれほどかからない。燃料補給の必要もなく、いつでも待機可能。排気ガスや騒音とも無縁。駐車スペースもそれほどいらない。近距離なら、なかなか優れた輸送手段だ。街中で使うのであれば、もっと人力輸送も見直されてもいいだろう。

 他にも、面白い記事があるので紹介しよう。同じくサイクルロードの記事である。

 何が出来て何が出来ないのか (2007.12.07)

 アメリカやカナダでも自転車による引越しが行なわれているようだ。近場の引っ越しだったら、トラックであっけなく運ぶより、みんなで楽しみながらの方がいいのかも。 

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 ここまで来ると、自転車の輸送力恐るべし…。軽トラよりも確実に上だ。日本でやったら凄まじく目立つだろうし、ケーサツに文句言われかねないけど。

 自転車で運べる物運べない物 (2006.11.05)

 今度は、中国の事例も。さすが中国、冷蔵庫でも、大量の干草でも自転車で運ぶ。昔、テレビで見たことあるが、切り出したばかりの木材ですら自転車で運ぶそうだ。

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 そこまでいかなくても、ちょっとした荷物を運ぶには、アルミフレームなどで軽量化の工夫をした新型リヤカーも登場していいだろう。

 どこかで見たことがある風景 (2006.09.09)

 中国の上海では、溢れんばかりの自転車経済発展で以前より少なくなったが、それでも市民の足として、様々な仕事で自転車はまだまだ大活躍しているようだ。最初から後部にリヤカーを組み込んだ3輪自転車もなかなかユニーク。

 経済成長の陰で消えゆくもの (2008.02.07)

 ベトナムの首都ホーチミンでも、オートバイが普及しているとは言え、自転車がよく使われているとか。客を前に乗せる3輪の輪タクから、運搬用3輪車、多種多様な商売と、かつて日本でもあちこちで見られた風景が、今も現役のようだ。

 実用自転車やリヤカーは、決して「ALWAYS三丁目の夕日」で見られるような懐古主義ではなく、間違いなく今後見直されるべき未来的な輸送手段だと思う。今では寂れてしまった旧商店街に、リヤカーを引っ張った自転車が走ることは、ヒューマンスケールの街を復活させる上で大きなヒントになるだろう。

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