高知東部自動車道は本当に必要か?

久々のブログになってしまった。いきなり大きな話であるとともにやや感情的かと思われる内容も含まれているがご了承いただきたい。

高知東部自動車道とは、高知自動車道高知JCTから高知県東部に向けて安芸まで至る高規格幹線道路(一般国道の自動車専用道路 B路線)である。
路線は二つに分かれており、高知JCTから高知空港ICまでの15kmが「高知南国道路」、高知空港ICから芸西村の芸西西ICまでの12.5kmが「南国安芸道路」だそうだ。

●高知南国道路概要

●南国安芸道路概要

現在、どちらも着工しているが、供用開始は、平成20年代半ばだということ。また、道路公団改革の一環もあり、有料道路ではなく新直轄方式による建設であり、無料で利用できる。

で、前置きはここまで。言いたいのはここからである。

私の出身は、香南市(旧夜須町)であるが、もちろん道路のルートが通るわけである。この道路、30年ほど前から計画があったらしく、子供の頃から高速が出来るらしいという話は知っていた。けれども、当時は、全く噂レベルというか具体的な情報がなく多分出来ることはないだろうと思っていた。

が、しかし、確か2001年2月ぐらいの新聞だったか、高知東部自動車道が本格着工されるという記事を見たんだが・・・・。噂が現実になってしまったことに心底驚いた。当時から出来るはずがないというよりは、あまり出来て欲しくないという思いがあったからだ。(あちこちで書いたかもしれないが筋金入りのモーダルシフト派であるので)

しばらく何の動きもなかったようだが、2005年に実家の北側500mくらいに突如、土木構造物が出現・・・・。農地を潰しながらインターの一部と思しき構造物が出来ていた。下の写真は、2006年8月に撮影したもの。コンクリの構造物がそれである。
現在のところは、香南市夜須町と芸西村をつなぐトンネルのみ着工され、トンネル自体は貫通している。また、国道からトンネル付近のインターへのアクセス道路が整備されつつある。

Img_5416

結論から言えば、この道路の必要性は、はなはだ疑問である。むしろ造るべきでないと考えている。

その理由を、挙げてみる。

もはや、自動車をこれ以上便利にする時代は終わった。完全に時代錯誤であることを認識しなければならない。日本は、未だに道路偏重の政策から方向転換できていないが、欧州を中心に先進国の潮流は、脱クルマ社会であることを認識すべきである。あまりにも増えすぎた自動車が、地球規模でも地域レベルでも大きな弊害をもたらしている。自動車を減らさねばならないという視点に立てば、こんなものを今更造る合理的な根拠は一切合財うしなっていしまう。また、高知南国道路の総工費は1300億円・・・・・。今でも道路は過剰なくらいあるのに、こんな大金かけて新たに造る効用って・・・・?土建業ですかね?
後述するが、この区間には鉄道が平行している。低環境負荷、高い安全性、定時性、誰でも利用できる公平性、それでいて高速道路と遜色ない速達性を備えたごめんなはり線を有効活用すべきだ。

もうこれ以上のインフラを地域で抱えるのは過剰である。すでに国道も鉄道路線も通っており、それに加えて高速道路もとなると明らかに過剰供給である。その維持コストは地元に重く圧し掛かってくることは確実だ。さらみ、通行料が無料ゆえ全部税金にツケが回ってくる。

農用地を大規模に潰しているという点。夜須地域のみならず道路を沖積平野に通しており、もとは水田や畑であった。高知県のように雨量も多く、大地は農作物という人間が生きるうえで欠かせない恵みを与えてくれる。それを、安直に道路にしてしまう行為は、凄まじく愚かなことだと思う。高知県は、自然が豊かに関わらず、県別の食糧自給率が半分もなく、農業、漁業までもが情けない状況だ。今、農業が儲からない、人がいないからと言って農地を平気で潰すのは、あまりにも近視眼的な判断だと言わざるを得ない。日本も食糧の多くを輸入に頼っているが、これも中国インドの経済発展に伴う食糧需要の変動や異常気象で早晩行き詰る可能性は高い。そういう意味でも農地を安易に道路や駐車場にすべきではない。
その他、森林も破壊し、大規模な自然破壊であると言える。

なぜ、もっと鉄道(ごめんなはり線)を活用することを考えないのか。せっかく日本最後の公団AB線であるごめんなはり線が、2002年に平行して開通した。
確かに、国道55号は慢性的な渋滞が発生している。特に、夕方、芸西から夜須にかけてなかなか進まないのは日常茶飯事である。だからもう1本道路が欲しいということだが、たかだか渋滞解消のために莫大や年月と費用をかけて道路を作る理由って一体・・・・。
この地域には、鉄道がすでに存在する。それも新しくて高規格な路線が。単線といえども一般道路4車線に匹敵する輸送力を有している。すなわち、国道55号の渋滞など一部がごめんなはり線にシフトすれば容易に解消するわけである。増発や増結、運賃施策、パークアンドライドなどの工夫で確実に渋滞は解消できる。今以上に使いやすい路線にレベルアップすれば、現状の自動車利用も大幅シフトし国道55号の交通量を激減させることも可能である。少しの改良で済むため、整備も道路建設より桁違いに安く、その気になれば短期間で実現可能である。
ただ闇雲に道路は無駄だからやめろとは言わない。地方でも社会資本として道路建設が求めらる場合はある。しかし、公共交通機関と道路、バランスよく整備できればいいんだけど。

生活環境破壊、景観破壊である。すでにインター付近の築堤は完成しているが、あの暴力的で威圧的な構造物は、農村、田園の風景を一気にぶち壊している。開通後の騒音は言うに及ばず、景観破壊もとにかく酷いに尽きる。夜須小学校や八幡様ある西山地区の静かな佇まいをすべて台無しにしている。たかだか景観だと思う無かれ。景観は、そこに住む人々や地域の心そのものである。これからここで育つ子供たちが可哀想だ。それに釣り合うほどの必要性がある道路ではないだけに尚更そう思う。

建設理由に地震対策が入っているが、これもあやしい。新潟中越地震の旧山古志村みたいに孤立することを懸念してのことだが、道路を造る口実にしか思えん。建物倒壊、火災、津波から逃れることが出来れば、まず死にはしない。防災体制の整った日本で、餓死するとは思えない。災害対策は、代替道路より耐震補強や津波対策に力を入れるべきである。

念のため言っておくが、道路財源など制度上のことはちゃんと認識した上でこう言っている。いくら鉄道の有用性が高くてもなかなかコンセンサスが得られないことも分かっている。もはや地方鉄道は半ば忘れられた存在になっており、それを活用できるという視点も薄い。

下の2枚の写真における道路も、インターまでのアクセス道路として拡幅される。風情のある道も、白線が引かれた2車線道路になり、石垣を積んでいた水田との境界もコンクリートで固められる。また、つまらないどこかで見た道路が増えていく・・・・。

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↓こういう風景、もっと大切にして欲しい。しかし、地元の人はなかなか気付かない。でも、本当はすごいこと。

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出来れば、工事は永久に凍結し造うりかけの施設もトンネル以外はすべて撤去して、工事前の状況に戻せと言いたいくらいだが・・・・。トンネルは、キノコ栽培かなんか知らんが有効活用すればよいだろう。

お願いだ。もう日本のよき田舎の風景を荒らすのはやめて欲しい!

2017年9月
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