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高知からクルマ依存交通社会を問い直す[105] オートワンデイ(エリア定額運賃)の安心感

当シリーズ[102」~[104]の記事で書いてきたICカード「ですか」のオートワンデイについてもう少し補足しよう。

まず、前回書き忘れたことであるが、昼間においては定時運行は概ね守られているようである。ほぼ定刻にやってきて、たとえ遅れても2分程度の場合がほとんど。

このレポート以前にも、オートワンデイで各路線に乗ったことがあるが、その時もほぼ定刻にやって来たと記憶している。

この点は素直に褒めよう。

オートワンデイ機能も、運行体系や対象エリアの問題もあって、現状では便利とは言えないものの、高知の公共交通では初のエリア定額運賃制度である。(路面電車の1日乗車券やJRの四国再発見きっぷはあくまでも線区定額制)

歴史的快挙!とも言える。

定額、すなわち一定以上の料金徴収はされないで対象エリアを自由に乗り降りできる安心感は、非常に大きい。

やっぱり公共交通は「安心して利用できること」が、もっとも重要なことであろう。

かつて、都市機能が高知市中心街にほぼすべて集中していた時代は、郊外と中心街の単純な往復ですむ場合がほとんどであった。通常の運賃制度で上手く行っていたと思う。

しかし、都市機能が郊外にあちこちに拡散した今はそうはいかない。あちこちと回る必要がある。人の流れも複雑になった。

そうなると今までの運賃制度では上手くいくはずがない。乗り換えるたびに運賃が必要で財布の中身があっという間になくなってしまう…。

それでは、クルマや自転車という逃げ道が用意されている状況下では、はなから相手にされなくなっている。相手にされないと言うことは1円たりともお金を落としてくれない。今の高知市における公共交通の実態であろう。

エリア運賃制度はその状態を打破できる。なんと言っても上限が決まっている。3回乗ったら元がとれて、後は使えば使うほどお得感が出る。提供サービス以上のお得感が出てこそ、はじめて利用することが視野に入るものだ。

前にも書いたけど、このオートワンデイ(エリア定額運賃制度)の大々的拡充と、それに伴う運行体系の見直しこそが、高知都市圏の公共交通が息を吹き返す大きなカギになるものと考えている。(参考:[92] ICカード「ですか」爆発的普及案(後編)

むしろ今後はそれが標準になるべきだ。

マイカーの場合を考えてみよう。高速道路や一部の有料道路を除いては、国道、県道、市町村道、農道の垣根なく誰でも自由に通行できる。

「あなたは高知県民だから徳島県内では県道や市町村道を走るには別途料金を払え」なんてことはない。ガソリン税こそ走行距離に応じての料金負担だが、重量税と自動車税・軽自動車税(これは一般税だが)は、いわば年間エリア定額制運賃(しかも日本国内すべて)と言える。

さすがに日本国中走り回るのは稀だろうが、公共交通も普段の生活範囲+α程度のエリアを定額で自由に利用できるようにならなければ、マイカーと同じ土俵には立てない。

定期券というのも時代遅れだと思う。少なくとも通勤定期に関しては。持っていても基本的には通勤にしか使えない。しかも、高知では目が飛び出るほど高額だ。マイカーであれば、通勤だけでなく週末の行楽など多様な用途に使える。マイカーを最大活用するの最も合理的な選択となる。ここでも同じ土俵に立てていない。

高知のような地方で公共交通が、誰しもの生活に溶け込み当たり前に利用されるようになるには、エリア定額運賃制度の本格的導入は避けて通れないと思う。

[92] ICカード「ですか」爆発的普及案(後編)のでも書いたように、3段階エリアでのオートワンデイ導入と休日半額制度の導入を社会実験として実施するのは、大いに意義がある。

普段ほとんど乗らない人、家族連れ、グループなどにも利用してもらうことにより、いろいろと課題も分かってこよう。中心市街地の来訪者や売り上げにどのような変化があったか、高齢者の外出頻度がどう変化したかなど、今後のあり方を考える上での貴重な結果だってもたらすだろう。

なんかダラダラと書いてしまったが、目に見える形で、前に進めていかなければならないと痛感している次第である。暗黒の時代から1日でも早く脱出できることを切に願う!

〔高知からクルマ依存交通社会を問い直す一覧〕

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