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レンタサイクルを交通システムとして機能させるには(その2)

レンタサイクルは大きな可能性がある。が、しかし成功例は極めて少ないそうだ。通常のやり方では採算性を確保するのが厳しい、儲からないとか。考えてみてもサービスを向上(利用時間の拡大)させようと思えば、経費がかかり黒字化が難しく、採算にこだわりすぎるとサービスが限られ、広く普及するには至らない。貸し出し、返却の無人化、自動化も簡単ではない。自動化できない以上、主要駅などのみに限られ、増設することも困難だ。机上の空論の時点で理想のレンタサイクルを実現するのは難しい。大いなる難問である。

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(土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線安芸駅のレンタサイクル)

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(同じく安芸駅売店のレンタサイクル受付所)

でも、理想のレンタサイクルは実現できないかという一種の思考実験も兼ねて書いてみる。あくまでも、これから述べるのは理想論だ。実現には課題が多いのは誰が見ても明らかであるが、それに近づけるにはどういう手順でやるべきかということをまず議論したい。

IT技術を駆使した、特にICカードを活用したレンタサイクルシステムが構築できないものか?それが普及促進の大きなポイントになると考えている。すでに、鉄道やバスなどの公共交通ではICカードがかなり普及している。それをレンタサイクルにも取り込まない手はない。

基本的なシステムはこうだ。まず、「レンタサイクルICカード」を作成する。もちろん、それで鉄道やバスも利用できる。つまり、SUICAやICOCCAなどの既存のICカードに、レンタサイクル向けの情報(個人登録)を追加するわけだ。

貸し出す時は、ICカードをリーダーにかざして、ラックのロックを開錠。自転車を利用者が引き出す。返却時も、空いているラックに入れ、同じくリーダーにカードをかざしてロックして利用時間に応じた料金を精算する。

そうすると、無人化が難しかったレンタサイクルでも無人化、自動化によるサイクルポートの拡充、利用可能時間の拡大への道が開かれるのではないかと考える。小さい駅でも設置可能になる。それに、借りたポートとは違うポートで返却可能という相互利用に関しても敷居がぐっと低くなろう。

また、現在のレンタサイクルは、観光やビジネス向けの一時利用は、時間によるきめ細かい設定は難しく、1日いくらという形になっている。それでは、短時間だと利用者側として割高に感じてしまうし、運営側にしてみても一日中借りられても料金が同じだと、採算面からしてあまり望ましくない。それが、IOカードだと利用時間に応じた設定が可能になる。例えば、30分までは100円、2時間までは200円、それ以後は30分ごとに50円課金するが、1日の上限は1200円までで、24時間以内に返却すればそれ以上は課金しないというような細かい設定が可能になろう。

運営側も、自転車の状況がリアルタイルで把握できるメリットがある。どこのポートに現在自転車が何台あるかはもちろん、1台1台の自転車についての故障・整備記録なども一括管理することが可能になる。

もちろん、究極的には日本全国統一のシステムにすべきだと考える。1枚のカードを作れば、全国どこでも利用可能となれば、レンタサイクルも非常に身近になり、認知度が上がる。交通インフラとしての確固たる地位を確立できよう。

加えて、用意する自転車であるが、従来ありがちなフツーのママチャリでは、はっきり言って全然望ましくない。それでは、自転車文化も根付かないし、自転車を取り巻く状況が改善するとも思えない。せっかくICカードを活用しても真にレンタサイクルが成功するとは思えない。誰もが快適に気持ちよく利用できる水準が求めらる。具体的には、8万円程度のクロスバイク並の性能、快適性はほしいところだ。そこから、本来の自転車という認識が高まれば、ママチャリ一辺倒の自転車文化から脱却への道が開けると思う。

また、大量の自転車を管理するため、耐久性がありかつ整備性も高い設計にする必要があろう。利用時のトラブル遭遇率を最低限に抑え、なおかつ部品の交換も迅速に可能にしたい。そうなると専用設計の自転車を製作、配置することになるが、それは海外勢力の安物自転車に押され気味だった日本の自転車メーカーにとって大量受注は朗報かも。

こうやって書きながらも、「そんなのどうやって構築して運営するんだよ?」と思える要因は山積だ。利用時におけるパンクなどのトラブル時にはどう対応するか、もし盗難にあった場合、ポートの自転車に落書きなどいたずらされた場合、自転車があるポートに偏ってしまったときの移送、自転車の整備基準はどうするか、整備員にどこまでのスキルを身につけさせるかという、基本的な問題から、そもそも採算性は確保できるかなどの根幹にかかわる問題まで対処していかなければならない。最初に書いたように難問の山だ。一筋縄ではいかない。

それでも、レンタサイクルシステムは大きな可能性を持っており、そのシステムを構築するのは社会的な有用性は絶対にあるという信念があるので、もう少し続けて書く。これは本気の中の本気で書いている。

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コメント

確かに変速無のママチャリを旅先で乗りたいとは思いませんよね。

でもレンタルクロスバイクを導入できれば今までママチャリしか乗ったことしかない人にクロスが普及して自転車イコール車道左端って考えが普及することになってよいと思います。happy02

>職人気取りさん

どこぞの匿名掲示板で、当記事でクロスバイクをレンタサイクルに導入など夢物語とか書かれていましたが、その無知ぶりにはあきれますね。実際に、クロスバイクやMTBをレンタサイクルとして採用しているところは存在します。こっちの方が運営側にとっても整備性が高いというメリットがあります。ママチャリの後輪タイヤ交換ほど非効率でうっとおしいものも少ないでしょう。

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