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高知から持続可能な交通を実現する(35) 「新型車両の提案(直通運転の主役・3000形)」

 これから、数回に渡って車両について具体的に提案する。 少々、マニアックな話になるが、ご了承いただきたい。車両は、駅設備ともに利用者にとって直にふれる部分であるし、公共交通機関のイメージを形成する上でも重要である。よって、丁寧に述べていきたいと思う。

 まずは、土佐電鉄線とごめん・なはり線およびJR土讃線との直通運転の主役となるべく車両を提案したい。フラッグシップとなるべく車両だ。

 車両サイズであるが、現在の単行車両では収容力に問題がある。かといって、一般的なJR車両の全長20mの車両は土電線内でカーブを曲がれないし、そのサイズで高知市街地を走るのは物々しすぎ。結論から言えば、現在の単行車両を少し長くして(1両が全長15m(土電の一般車は12~13m))、連結方式の2両固定編成で1編成30mとするのがいいだろう。直通運転の性質からいって最低限その程度の収容力は求められる。編成の増結も可能とし、最大で3編成連結の6両編成で運行する。 扉は、車端に1両で2箇所設け、ドア脇を2~3人掛けのロングシートにする他は、転換クロスシートが並ぶ構成とする。長距離の利用にも快適なサービスを提供するわけだ。座席定員は、2両1編成で90名程度になるだろう。 他にも、長距離運用に充当されるためトイレは装備し(編成で1箇所)、その付近に空港アクセスを担うことから荷物置き場も設けることにする。 ちょうど輪行袋を置くスペースにもいいし。

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(米オレゴン州ポートランドMAX type-1(1986年の開業時に導入) 連接方式であるが構造的にはこのようになると思われる http://www.subwaynut.com/trimet/index.htmlより転載)

 バリアフリーの流れに逆行するようだが、超低床車にはしない方がよい。かなりの高速性能が求められるだけに、独立車輪や小径車輪など特殊機構の超低床車は危険でさえある。通常台車を用いた部分低床車も機器を屋根上に配置するだけに重心が上がり走行安定性が落ちる。通常のボギー台車を用い、機器類も冷房装置以外は床下に配置するべきだ。これまでのスタンダードだった方式が最も安定しているし信頼性も高い。乗り心地も当然もっとも優れている。

 また、長距離を走るだけに、居住性や座席定員も確保しなければならない。だいたい、超低床車にしてしまったら、ごめん・なはり線の高架走行時に防音壁が邪魔して景色が見えなくなる。さらに、ただでさえ特殊な車両であるだけに、無理に部分低床車などにしたら製造費が増大してしまう。バリアフリー化に逆行するようだが、やむを得ない。従来型の車体構造であり、出入り口にステップが当然ある。在来車両もステップがあることを考えるとさほど大きな問題だとは思わない。今までずっとあの方式でやってきたのだから。それでも段差を少なくしようとすれば長崎電気軌道のようにホームを嵩上げするなどして、床面との段差を少なくするなどして対応するしかない。 現にアメリカの郊外を高速で走るLRTには、100%低床車は存在しない。

 最近の車両は、窓が開かないものが多いが、これもあえて開くようにした方がいい。直通するだけに、様々な場所を走る。ごめん・なはり線で海辺を走るとき、佐川や窪川の自然豊かな盆地を入るとき、窓を開けば車内に心地よい風が入ってくる。このように鉄道旅を楽しむような心配りも忘れてはならない。夏場でも、朝方の涼しいときは、冷房を使わずに窓を開けたほうが、心地よいし健康的だし、省エネにもなる。とはいえ、昔の車両のように下段を開けるのは安全上あまりよろしくないので、上段を降ろすタイプがよいだろう。一枚窓の下降式という選択肢もある。

 走行性能は、土佐電鉄市内線(知寄町~鏡川橋)でのごく駅間の短い路面電車としての運用や、駅間距離が比較的短いごめん・なはり線の各駅停車運用、そして、高速性能の要求される急行・快速と幅広い運用をこなすことになるわけだから、おのずから加速・減速、高速走行においても高いスペックが求められる。さらに、窪川方面に乗り入れるとなると久礼坂の連続勾配への対応も必要になる。よって、京浜急行の新型車両(600形、2100形、新1000形)と同等の性能くらいないとお話にならない。起動加速度3.5km/h/s(東京の地下鉄はだいたい3.3km/h/s)、最高速度120km/hは必要だ。当然、回生ブレーキを備えるなど省エネにも配慮すべき。

 想定運用範囲は、直通運転のフラッグシップとして土電を介して東は奈半利、西は中村までの広域運用をこなす。空港アクセス鉄道として、土佐路快速・中村~須崎~JR朝倉~はりまや橋~後免町~高知龍馬空港などの運用にも充当されることを想定する。

 この車両は、JR四国の特急列車、土電の旧型電車群と共に高知の鉄道の顔になる。 それだけに、外観、内装とも手を抜くことなく丁寧にデザインしてもらいたい。また、空路での高知県来訪者にとって初めて目に触れるだけに、その点でも気配りが必要だ。私の考えでは、外観のデザインといっても、欧米のやたら近未来的な雰囲気のLRT車両を真似するのではなく(それ自体は悪くないが、あまりにも近未来的すぎる。)、日本の鉄道車両の流れを汲む、落ち着いたデザインを採用してもらたいところだ。

 内装については、参考にすべき車両は色々とあるが、転換クロスシートを装備する車両では、京浜急行2100形、阪急6300系、京阪8000系、南海2300系、JR西日本221系などは、よくできている。他にも、ロングシートであるが東京メトロ06系や阪神電車5500系、の内装デザインなども参考になるだろう。外国の車両になるが、米国オレゴン州ポートランドのLRTの車両もどちらかと言うと日本的なイメージで、落ち着いたかっこよさで好感が持てる。付け加えておくがJR九州のデザインは、ちょっときついかなと思う。800系新幹線やはやとの風などは落ち着いた雰囲気でいいと思うが。

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(米オレゴン州ポートランドMAX type-2 結構いいデザインだと思う http://www.subwaynut.com/trimet/index.htmlより転載)

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(高知の街にはめ込むとこんな感じになる 旧型車と共存可能か?)

 内装は、蛍光灯はカバー付きとし、壁は薄いベージュを基調とする落ち着いた配色で、車端部はあずき色、床面は、茶色とベージュのツートンカラーなどがいいだろう。ただ、座席の柄は遊び心があっていいと思う。全編成すべて違う柄にするくらいの勢いがあってもいいくらいだ。それくらいの方が、利用者にとっても変化があっていい。あと、無線LANにも対応させたい。もちろん、常に気持ちよく利用できるように、清掃にも気を配るべきだ。

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(京浜急行2100形の車内 転換クロスシートを装備するハイグレードな設備 http://www.trainseat.net/より転載)

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(東京メトロ06系の車内 明るくて開放的な雰囲気 Wikipediaより転載)

 通勤、通学、買い物、ビジネス、観光にと大いに活用され、市民にも愛されマイカーから乗り換えてでも乗ってみたくなる車両、都会の人が「高知の人はこんな電車で通勤できてうらやましい。」と思わせる車両を目指して設計してもらいたいと思う。その時が来たならば。

 形式は、「3000形」とする。車両の所有は、土佐電鉄、JR四国、土佐くろしお鉄道3社にまたがることになろう。

《3000形 想定スペック》 <直通運転のフラッグシップ的存在>
全長 1両15m・2両固定編成 (1編成約31m)
全幅 2.74m (土電従来車両は最大2.3m)
最高運転速度 120km/h(130km/hも可能)
起動加速度 3.5km/h/s(限流値強で4.0km/h/sも可能)
減速度 4.5km/h/s(非常5.5km/h/s)
制御方式 IGBT-VVVFインバータ制御
電圧 DC600/1500V複電圧方式
台車 ダイレクトマウント方式空気バネ台車
車輪径 760mm (土電従来車両は660mm)
集電装置 シングルアームパンタグラフ
保安装置 ATS-P、ATS-SS
定員 1編成160人程度(内座席90人程度)
座席 転換クロスシート、ロングシート
トイレ あり
運用範囲 土佐電鉄線(鏡川橋~伊野以外)、ごめん・なはり線(後免町~奈半利)、空港線、土讃線(朝倉~窪川)、中村線、中村市内線

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