高知から持続可能な交通を実現する(32) 「土電、県交通がICカード導入か」
12月27日の高知新聞夕刊記事一面は、「温暖化対策、土電、県交が共通カード バス、電車利用促進 環境省新規事業に採択」の見出し。
(高知新聞 2007年12月27日の夕刊記事)
記事内容を要約すると、「環境省の新規事業に「公共交通ICカード・エコポイント事業」が採択。土電、県交の車両に導入し利便性向上でマイカーからの切り替えを促進する。ICカードは独自規格を開発し、乗車距離に応じて「エコポイント制度」を全国で初めて導入する。県内スーパーや商店街などと連携し、レジ袋を辞退する利用者にもエコポイントを付与するなど、将来的にには県のCO2削減認証制度とも連動させる。」とある。
また、別のインターネット上の記事では、「平成20年度だけで2億1000万円の補助金を得て、取組みの実験を行う。」とある。
結論から言ってICカードを導入することは賛成である。欧米のLRTでは、ワンマン運転と乗降の円滑さを両立するために乗務員が運賃収受にタッチしない信用乗車方式が一般的である。日本で普及しないのはやはり無賃乗車の懸念があるからであるが、このICカード導入は、その突破口になると思われる。是非とも普及につとめてもらたい。しかし、いくつか疑問点が浮かぶ。
まず、「独自規格を開発」とあることから、他のカードとは連携しない高知完結のカードらしい。SUICAやICOCAなどとは、互換性を持たせる予定はないようだが、これでははっきり言って利便性は半減する。独自規格では、外から来た人が使えないし、高知県外での使用もできない。こんなカードが一体どれだけ普及するか大いに疑問だ。
さらに、なぜ土電(土電グループの電車、バス)と県交だけ導入で、JR四国や土佐くろしお鉄道は除外されているのか?また、近いうちにJR、くろ鉄が予定があるのか?そこらへんも疑問だ。将来、JR四国の高松エリアもICカードを導入することになろう。それは、もちろんJR西日本のICOCAとも相互利用できるはずである。そして、高知エリアにも導入となれば、高松地区と同じものを採用することになり、くろ鉄もそれに追随するはず。そうなると、同一地域でJR四国、くろ鉄と土電、県交で相互利用もできない別規格のICカードが存在することになる。そうなっては、利用者も2種類のICカードを使い分けるかどちらかは従来通りの運賃精算方法での利用を強いられることになり、不便極まりなくなる。利用者本位に全くなってないではないか。もし、そこで気がついて規格を変更すると多額の予算が必要になってしまう。そうならないように、SUICAなどとの互換性も考慮し、JRやくろ鉄の導入時にも同一規格で使えるようにすべきである。
加えて、ICカード導入”だけ”でCO2削減になるのかその点も不明である。利便性向上でマイカーから切り替えを促進し温暖化対策とあるが、その程度のことでどれだけ自動車利用を削減できるのだろうか?ポイントを発行しスーパーと提携するなどとあるが、そんなことをするよりICカード利用者は一律2割引などとした方が、シンプルで分かりやすいし確実に自動車からの転移を促せる。
マイカー削減に本気で取り組むならば、相乗り通勤を促進させたり、中心市街地への自動車流入規制などアメとムチをセットにした施策も展開してもらいたいところだが・・・。一貫した交通政策すなわちパッケージアプローチだ。
とにかく、多額の予算をかけるのであるから無駄な投資にならぬようにしていただきたいと思う。ここで失敗すると「高知では何やってもダメだ」というあきらめムードに拍車がかかってしまう。それだけは絶対に避けねばならない。
<様々なICカード>
SUICA(JR東日本)
ICOCA(JR西日本)

TOICA(JR東海)
PASMO(東京メトロ、都営地下鉄、都営バス、関東私鉄各社など)
IruCa(高松琴平電気鉄道、ことでんバス)
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