高知から持続可能な交通を実現する(30) 「後免町駅での土佐電鉄線とごめん・なはり線の連携強化案」
高知から持続可能な交通を実現する(29)で取り上げた、後免町駅でのごめん・なはり線と土佐電鉄の接続に関して今回もさらに踏み込んで紹介していく。
まず、後免町で接続するメリットについて説明しよう。現在は、接続の案内に関する情報が全くと言っていいほどないため、高知市内から列車を利用して高知県東部方面に行こうと思ったら、わざわざ高知駅まで行かなければならない。結構それは手間にかかるらしく、そしたら車で行こうか、または行くのをやめようかという気持ちにもなろう。
また、JRの列車は路面電車に比べて速度は速いが、中心市街地から高知駅に行って列車に乗ろうと思ったら、それなりの時間を見なければならない。高知駅で所定の列車に乗ろうと思ったら、はりまや橋からだと路面電車で行くにせよ走る(歩くならもっと余裕がいる)にせよ、余裕を持たせるならば列車の発車時刻より15分は見ておく必要がある。さらにホームも2番や3番から発着することが多いので、階段の上り下りの手間もかかる。後免駅乗り換えの場合だと、そこでまた階段を上り下りしなければならない。
また、枡形方面と高知駅を結ぶ、直通便があるによ本数が少ないので、ほとんどがはりまや橋乗り換えになる。そうすると、上町や県庁前、大橋通などから高知駅経由で安芸・奈半利方面に行こうと思ったら2回乗り換えが必要になる。後免駅で乗り換えの場合だと3回になってしまう。こうなっては、やはり不便であるというものだ。あまり高知市内と安芸・奈半利方面の列車利用はシームレスになっているないのが現状である。
一方で、この電車に乗れば後免町駅でごめん・なはり線の列車とスムーズに接続できると分かっていれば、最寄りの電停に発車時刻の1分前に行けば十分だ。平面移動で済むし、こまめに停まるので非常に便利である。乗り換え回数も後免町だけと確実に1回で済むようになる。
さて、ここで後免町乗り換えだと路面電車の速度が遅いので時間がかかり過ぎるのではないかと思われるだろう。これも字数を割いて説明していく。まず、列車の高知~後免~後免町の所要時間であるが、最短は17分、最遅は36分である。だいたいは20~26分程度で、半分程度は25分前後である。一方で路面電車のはりまや橋~後免町の所要時間は約35分。一部ラッシュ時などで38分かかっているのがある。こう見ると列車と路面電車の所要時間の差は約10~15分差であるが、中心市街地から高知駅まで行くための所要時間を考えれば、差は全くないばかりかむしろ早いくらいであろう。現状の所要時間でも十分通用するのだ。
しかし、事はそう単純にはいかない。単に所要時間の差でなく、後免町駅での乗り換えがスムーズにいっているかが関わってくるからだ。現在の運用でも接続時間が5分以内に収まっている場合は、確かに実質の所要時間にあまり差はないが、10分前後またはそれ以上の場合は、やはり所要時間という点では不利になってしまう。中には夜間に17分待ちや27分待ちというものもあり、もはや乗り換えとは呼びがたい場合もある。これは是非とも改善したい点である。
後免町で乗り換えがスムーズに出来ると高知県東部地区と高知市中心市街地を結ぶ上で今まで以上に便利なるが、現状のままでは不便な点も残る。やはり接続を前提としての改善は必要だ。このことをこれから提案していく。
まず、最初にやるべきことは、現状のダイヤでもかまわないから、乗り換え時刻表を作成することだ。それを、NPOごめん・なはり線を支援する会が発行する時刻表にも掲載する、土佐電鉄作成の路面電車時刻表にも明記する、また、その時刻表を電車内などでも入手可能なようにするというふうにしたらよい。そして、後免方面の各電停に掲載されている時刻表に、接続する便に関しては印などを入れるなどして分かるようにしたらよい。
そして、次に接続を意識したダイヤにすることだ。ごめん・なはり線の列車とは、どれも3~5分で接続できるようにしたいところだ。こうして後免町駅でスムーズに乗り換えできるとなったら利用者の認識も大いに変わるであろうし、後免町~高知市内での利用客も確実に増えるので土佐電鉄にとっても増収になる。ただ、土佐電鉄にとってはJRのダイヤ改正に合わせる必要が出てくるが・・・。
さらに、踏み込んだ策として、接続する一部の便については、急行運転や準急運転をして所要時間を短縮することも提案する。現在、後免町~はりまや橋で35分程度かかっているのを、例えば停車する電停を後免東町、後免中町、後免西町、領石通、田辺島通、文珠通、県立美術館通、知寄町三丁目、以降各電停に停車に絞るとすると27分程度に短縮可能になるだろう。特に、ごめん・なはり線の快速列車との接続を中心に1時間に1本は、急行運転としたいところだ。昼間ならダイヤを調整すれば、他の便との干渉は避けられる。本数が多い朝夕でも例えば、後免西町~領石通の間だけノンストップの準急などを設定して短縮運転は可能であろう。こうすれば、確実に後免町乗り換えの方が速くなり多くの利用客がシフトする可能性も考えられる。また、路面電車が遅いというイメージを少しは払拭できるだろう。
ただ、問題は運賃設定だ。JR後免駅と高知駅の場合は260円で、路面電車の後免町~高知市内均一区間とでは450円で、乗り換えた場合圧倒的に不利になる。ただ、夜須駅、赤野駅、安芸駅では、後免町駅と後免駅との運賃が異なるため(夜須~後免町:390円、夜須~後免:540円)、ほぼ同じになるのだが・・・・。1日乗車券(全線800円)を購入し市内区間でも2回利用したら元は取れるのだが、運賃設定に関しては何らかの工夫は必要だ。しかし、現在の運賃設定でも接続をスムーズにしてそれを周知させるだけでも利用者は確実に増加するだろうから無駄ではない。願わくば思い切ってJR線の後免~高知と同額の260円にしてもらいたいところだが、まずは、1日乗車券の存在をもっと周知させていく努力が必要であろう。
最終的に目指すのは本格的な直通運転であるが、現状のインフラでも工夫すればここまで分かりやすく使いやすくなるのだ。後免町駅での両者の完全接続を図り、一部を急行運転するだけも直通運転は半分実現したようなものである。ここで成功を収めたら次は、土電とくろ鉄の駅を近づける、もしくは土電後免町駅も高架に上げホームタッチで乗り換え可能とする、さらには、そのままごめん・なはり線へ電化して直通運転というふうにも発展してくるだろう。
少なくとも、今回取り上げた提案は、現状のインフラで対応できコストはほとんどかからない。それでいて確実に利用者、事業者ともにメリットがある案だ。できることなら即実行に移してもらいたいくらいである。土讃線の客を奪われる可能性があるJR四国がいい顔をしないかもしれないが、この提案ではJR、くろ鉄のダイヤはそのままで土電のダイヤをいじるだけであり、むしろ公共交通利用のパイ自体を増やすことを目指して行かなければならない。
安芸線バスとごめん・なはり線と路面電車の連携強化についてもアイデアはあるが、次回に譲る。
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