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書籍紹介(22) 『樹のあるところに、住みたくなったから。 オレゴン州ポートランドのゆるやか暮らし』

Portland

 ニューヨークで9年間暮らしていた、エッセイスト&翻訳家の渡辺葉さんが、少しゆっくりと暮らしてみたかったということで西海岸のオレゴン州ポートランドに移住した2年間の出来事を歳時記ふうに綴った本。春夏秋冬それぞれの葉さん的なポートランドの暮らしが詰まっている。

 リアルで生き生きとした文章からは、ポートランドの魅力がひしひしと伝わってくる。緑が多く街が自然に囲まれている、新鮮な食材が手に入るファーマーズマーケット、特徴的なお店が多いサウスイースト地区、音楽やアートなどの独特な感性、お酒やカフェの文化、アメリカでは珍しく車なしでも生活できる街。やっぱりステキな街なんだなと思わせてくれるには十分すぎる内容だ。

 何はともあれすごく表現が絶妙であたたかい。
「時計の歯車がちょっぴり違う噛み合わせで動いているかのように、時間が他の土地よりもゆっくり流れていく、そんな街なのだ。」(p10)
「密の香りが漂い、絹のような雨が降る街。」(p14)
「ポートランドの夏ときたらそりゃもう、毎日が宝石のように光に満ちて、歩けばふんわりと花の蜜のにおいがして、ついでにハチドリなんかも飛んでいたりして、誘惑でいっぱい。」(p75)
「気持ちの底の空間が、ゆるやかに広がっていく心地がする。」(p162)

 葉さんは再びニューヨークに戻ったのだが、この2年間のポートランド暮らしは、葉さんにとってもすごく感性の磨かれ、大きな経験になったことが伝わってくる。 でも、最後のパートナーとの別れは、ちょっと切ない・・・。

 そして、ポートランドに一度行ってみたくなる、さらに暮らしてみたくなる。また、日本にもこんなステキな街があればなぁとも思わせてくれる。そんな一冊だ。

『樹のあるところに、住みたくなったから。 オレゴン州ポートランドのゆるやか暮らし』(渡辺葉著 2007年2月初版発行 二見書房)
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《参考サイト》

渡辺葉のポートランド通信

渡辺葉さんが語る「木漏れ日、炭火焼のピッツァ、魔法の森のポートランド」

樹のあるところ。 (It's a Wonderful World☆)

in Portland (Salon De Voix Home Page)

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コメント

 皆が都市に何を求まるのか。どんな街に住みたいのかを冷静に、落ち着いて議論することが大事です。

 街歩きをして自分の五感で感じたことを表現すべきでしょう。そして自分が「何ができるのか」まで出す必要がありますね。

 それをわかりやすい言葉で、人々に説明する能力も根気も必要です。往々にして人は自分のことは話したいが、人の話は聞きたくないところがあるので。

 あるべき都市の姿こそが、都市づくりのビジョンとなるとき都市が劇的に変化するでしょう。

>けんちゃん

分かりやすく言う、それこそが重要であることは最近分かってきましたが、なかなかそれを一言で表せる言葉は見つかりません。
しかし、根気強く探して行こうと思っています。

その点、渡辺葉さんなんかポートランドの魅力を一冊の本で分かりやすく伝えています。それは、すごく参考になりますね。

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