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高知から持続可能な交通を実現する(19) 「土佐電鉄線市内線(知寄町~鏡川橋)の改良計画案」

 前回の記事、高知から持続可能な交通を実現する(18)では、土佐電鉄線の後免線郊外区間(後免町~知寄町)の改良計画案についてアップした。今回は、その続きとして市内線をどう改良していくかということを述べていきたい。

Oohashi608
(大橋通電停に進入する600形608号)

 後免線の郊外区間とは違って、どう改良しようがこの区間は”路面電車”であることには変わりない。であるので、さりとて改良すべき事項はなさそうだが、安芸方面、須崎方面に直通電車が走り、さらに空港アクセス鉄道も走るとなるとやはり改良すべき点はいくつかあるのだ。それは結論から言うと、多少のスピードアップ定時性の向上が必要である。知寄町から鏡川橋はかなりの距離があるし、市内を通過する利用者もいるだろからだ。そのことを念頭において述べていく。

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《電停を交差点の手前に戻す》

 土電の電停は、もともと交差点の手前にあった。信号停車待ちの間に乗降が出来るので合理的である。だがしかし、90年代より自動車交通の増加に伴って右折レーンを確保するために、交差点を渡った側に移設してきた。これでは、信号に引っかかると手前で信号待ちをし、信号が青になると交差点の間だけ走ってすぐに電停に停まるという極めて時間のロスになっていると思われる。さらに電力の無駄だし、ブレーキも磨り減る。では、優先信号で制御すればよいと思われるかもしれないが、今度はそれこそ電車に交通が振り回されてしまう。電停がある交差点は、優先信号にすべきでない。そこで、電停の位置を元に戻すことが必要だ。ただしはりまや橋電停など当然例外もある。交通のパラダイムシフトを進め市内に流入する自動車を激減させるならば、右折レーンを廃止しても問題ないだろう。その時には、電停も街の景観との兼ね合いを考慮したものにしていただきたい。

《電車優先信号の拡充》

 電停のある交差点以外では、信号停車をなるべくしないようにするため優先信号を導入すべきである。例えば、中ノ橋交差点などが該当するし、現在の宝永町~菜園場町の間の小さい交差点も該当する。

《右折可能交差点の限定》

 現在では、電車通りでかなりの交差点が右折可能である。かなり小さい交差点であってもだ。例えば、宝永町~菜園場町間の小さな交差点でも右折可能である。右折車が待機していると、横を走る電車はブレーキをかけ速度を落としているが、これは運転士にとっても乗客にとっても、ストレスがたまるし時間のロスだ。快調に走れるようにする観点からも、市内の自動車利用をやや不便にする観点からも右折禁止にするべきだ。

 さすがに、大きな交差点は、右折可能とするが、これも信号方式を変更させる必要がある。普通の信号だと青信号で右折車は交差点の真ん中まで出るが、さすがに軌道内に侵入する自動車は少ないが、電車とギリギリだったりする場合もあり、そうでない場合も電車が速度を落とさざるを得ない。右折車を停止線で待機させるために、右折可(→)の信号のみで右折させるようにしたらよい。直進、左折の信号が出ている時は、右折禁止にするわけで、また交差点付近は、電車軌道との間にブロックを置いて軌道に自動車が進入できないようにしたらいい。

Img_3347
(このような右折方法にすべき)

《電停の統合整理》

 後免線の郊外区間と異なり、電停の整理は不必要だと思われるが若干はそうすべき箇所がある。バスとの連携を兼ねた電停配置を実現する上の話だ。まず、「宝永町」は現在の位置ではなく、宝永町の交差点に移設すべき。バスの環状路線と乗り継ぎが便利になるようにという点とまさか宝永町交差点を優先信号にすべきではない点である。そうすると、宝永町~菜園場町の間がかなり開くが、それは、現在の宝永町電停がある交差点の一つ西側の交差点に「城見町」電停を新設したらよい。また、そしたら「知寄町一丁目」が近すぎるが、「知寄町二丁目」も「知寄町」ともともと近いので、それらを中間の交差点(かつれつ亭がある交差点)に統合すればよい。それとも、「知寄町二丁目」は、バス接続とも兼ねてそのままで、「知寄町」一丁目を廃止すればよい。

 また、「デンテツターミナル前」はもういらないと思う。そのかわり、はりまや橋交差点をスクランブルにすべきだ。「上町一丁目」は、廃止してしまってもよいだろう。龍馬誕生地云々は「枡形」を、最寄の電停にすればよい。

《信用乗車方式の導入》

 高知から持続可能な交通を実現する(5)で、詳しく取り扱っているが、これにより乗降時の運賃収受を廃止し、すべてのドアからも乗り降り可能とすることによって、表定速度の向上と定時性の向上が図れる。通常の通勤電車などと同じように乗降できるようにするわけだ。

《鈍足な車両の淘汰(置き換え・改造)》

 現在、土電では60両が一般営業で使用されている。そのうち200形(モーター出力38kw×2、直接抵抗制御)など鈍足な車両は、33両(200形、600形直接制御車、700・800形、1000形、2000形)で約半数が該当する。それらを東西の本線から置き換えや改造で一掃すると最低性能が600形間接制御車になる。それならば、多少の時間短縮につながるし、何しろ余裕が出来る。

 それらの鈍足車両の一部は、直通用の新型車両によって置き換え可能である。それでも、すべてを満たせないので(高知の路面電車のアイデンティティを守るためにも旧型車は半分程度は残すべき)、それは改造(モーター出力の向上等)によって賄うべきだ。さらに残った鈍足車は桟橋線専用にすればよい。また、今後詳しく取り上げる予定でいる。

《車両規格の変更に合わせた線路改良》

 これは、直通用のやや大型車両に対応させた改良案である。現在の土電電車の最大幅は、2.3mであるが、直通用の新型車は2列+2列のクロスシートを導入するために2.75mくらいは必要だ。それでも、一般のJR車両(幅2.80~2.95m)よりは幾分狭い。すべての区間において複線の間隔をやや開けるため線路をずらす必要がある。予算はかかるが、何もモノレールや地下鉄をつくるわけではないので、かなり費用は抑えられるだろうし、レール交換のついでに行なえばよい。

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 現在、知寄町~鏡川橋では27分程度かかっているが、以上のことを実施すると20~22分程度に短縮すると思われる。鈍足車両の淘汰は、もっとも時間がかかるだろうが、それでも、それ以外の改良で22分程度にはなると思われる。同時に、都市の装置としてのLRTへ脱皮するために、電停などのデザイン整備も実施してもらいたいと思う。

〔高知から持続可能な交通を実現する一覧〕

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高知からクルマ依存交通社会を問い直す」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

記事を拝見しました。
本来であればトランジットモールの話題で取り上げるべき事かもしれません。

路面電車に乗務していた時の視点になりますが・・・。

観光や用務で高知に訪れ、高知駅から路面電車に乗車されるお客さまのなかに、大橋通・高知城前・県庁前へ行かれるお客様は意外と多くおられます。

しかし、高知駅と市中心部を直結する便は朝夕を除くと日中毎時1本程度と少なく終電が夕方頃になっているのが現状です。たいていの場合、はりまや橋で1度下車し、電停を移動されて目的地へ向かう便に乗換えされる事が多いと思います。

そこで一つ提案ですが、県庁前交差点(伊野線)から分岐して県庁前・高知城・追手筋通を経由して蓮池町通交差点(桟橋線)とを結ぶ路線なんていうのはどうでしょうか?

追手筋通を利用することで伊野線や桟橋線の最寄停留場から離れている帯屋町商店街・ひろめ市場・高知城、土佐女子学園・追手前高校等に近い場所に停留場を設置することができる可能性があります。
現在、追手筋通を運行しているバス路線がないため空白になっているように感じます。追手筋通を利用することで周辺で住む人や勤める人の足になると確信しています。

この追手筋通、日曜市開催時は近隣の駐車場目当てで通行するクルマが多くなり渋滞するのを目にした事もありました。ところで、日曜市の魅力って何なのでしょうか?人情味溢れる露店の並んだ広い通りを、観光がてらに多くの人々が通行して賑わい、他の交通にせかされる事なく、様々な露店を見て回って店先に置いてある商品を店員に聞いて、気に入ったものがあれば選んで買える場所ではないでしょうか?

そのため、追手筋通をトランジット化して、自動車の通行を規制する事で電車通行の妨げを無くし、日曜市などイベント開催時に身近に利用できる交通手段になりうるのではないかと考えます。
(高知駅周辺でパークアンドライドが出来ればよいかもしれません)

もし、仮に軌道を敷設するに当たり、複線で用地が確保できなければ、富山市で行われているように単線で敷設して一方通行で運行するのも手ではないかと思います。高知駅前→ひろめ市場(仮)→県庁前→はりまや橋のような市中心部を循環する路線でもよいのではないかと考えます・・・。

※乱文ですみません。

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