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書籍紹介(5) 『下流同盟 格差社会とファスト風土』

『下流同盟 格差社会と脱ファスト風土』(三浦展[編著] 朝日新書)

内容(「BOOK」データベースより)
日本全国のアメリカ化は、はなはだ疑問だ!郊外ロードサイドに増殖する大型商業施設、空洞化する中心市街地と駅前商店街、不可解な犯罪、崩壊する家族、増大するワーキング・プア、そして青少年の非行化…。『下流社会』の著者が、アメリカ現地取材やフランスの現状を踏まえつつ、日本の将来を問う。

(目次)
第1章 下流社会とファスト風土 三浦展
第2章 これがアメリカのファスト風土だ! 三浦展
第3章 ファスト風土化し下流化する地方 服部圭郎
第4章 嫌われるウォルマート 服部圭郎
第5章 日本のワーキング・プア 心の叫び 宮本冬子
第6章 アメリカの下流社会 こぼれる若者たち 藤田晃之
第7章 古いヨーロッパ・フランスは抵抗する 鳥海基樹

(管理人レビュー)

三浦氏の関連著作は批判も多いが、「なるほどな」と思わせる部分も多い。編著で学識経験者も執筆しているので読み応えあり。

ファスト風土化が進むと下流社会化が進み、下流社会化が進むとファスト風土化が進むということがだが、多くの人は薄々でも感じているのではないだろうか。

大店法改正からというものの、加速度的に郊外に超大型ロードサイドショップが進出し、既存の商店街は個人商店レベルのみならず、スーパー・百貨店までを廃業に追い込んだ。そして、残ったのは廃墟同然となった商店街。鉄道駅を降りて、この光景に出くわす確率はかなり高い。さらに、執拗な値下げの圧力で卸売り業者、運送業者、製造業にまで大きなしわ寄せがいき、地域で働く人はチェーン店で働く低賃金のパート・アルバイトばかりになっていく。人の心も荒れ、街は殺伐とした空間になる。
一見、よさそうでも本当はろくなことにならないのがファスト風土だ。

個人のお店が一切なくすべてがチェーン店の街の光景を思い浮かべたら・・・。誰一人も主体的・自主性を発揮できない、それを表現する機会もない・・・。働いている人は、ただマニュアル通りにこなし、消費者も機械のように買い物する・・・。考えただけでも空恐ろしい。まるで、外部資本の奴隷の街ではないか。

休日に、郊外型ショッピングセンターに買い物に来ている家族連れを見ると、どうもとらえどころのない空虚さを覚えてしまう。あまりにも画一的というか、価値観のなさというか、事の異常さは確かにある。それだからこそ、逆に自分のスタイルを持っている人がかっこよく見えるのだが。

確かに、私も地元の田舎町で冴えない米屋、酒屋、雑貨屋などしかなかったところにコンビニが出来た時の感動はすごかった。都会の文化がやってきたと正直嬉しかったという感じだ。ロードサイドのファストフードやファミレス、レンタル店、ゲーセンなどに行くのがかっこいいというような風潮すらあったほど。もっと、そういうものが出来て発展して欲しいとすら思っていた。高校時代には、買わないくせに自転車でそれらをハシゴしたものだ。こじんまりとしたカフェや雑貨屋などには存在にすら気づかなかったよ。それでも、中心市街地の衰退はいささか寂しいと思っていてなんとかせねばと思っていた。
単に無知だっただけだが、その無知・無関心こそがファスト風土化を招く一因かもしれない。

こうは言ったものの、県庁所在地クラスの街には、探せば個人個人がこだわりを持って開いているお店もかなりの数ある。レストラン、カフェ、スウィーツや雑貨屋、美容室など、新たな個人のお店という感じで「これが大型店に対抗しうる個の力だな」と思えて、大変心強い。こういう人たちがいるから街は楽しい。自然と応援したくなってくる。

こちらも参考になります 「Tokyo Chill Out」
http://blog.livedoor.jp/koutaotani/archives/50975816.html

写真:これぞファスト風土!?(高知県香南市野市町・管理人撮影)

Noichi

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